工学部建築学科の授業「建築設計演習Ⅲ(3年生・選択必修)」では、江東区立深川図書館および周辺を対象とした設計演習を行っています。
深川図書館は明治42年に東京市立図書館として設立され、100年を越える歴史を持つ図書館で、周辺には清澄庭園、清澄公園、仙台堀川など豊かな地域資源も存在します。
学生独自の視点から地域や現在の図書館について課題を発見し、これからの図書館に求められる機能、公共サービス機能の複合化、周辺環境との連携などもふまえて「成熟社会における市民の文化活動拠点としての図書館」を提案します。
11月12日の最終講評会では、学生53名、江東区職員2名、教職員9名が参加し、6名が発表を行いました。
●最終プレゼン参加作品
『土間で出会い、人とつながる図書館』
(通り抜け空間としての土間をつくり、上層階との活動のつながりを創る提案)
『時と図書館』
(スパイラル状に、時間軸に沿って書架が連なる提案)
『まちや図書館』
(清澄通り沿いに残る長屋の空間構成を、新たな図書館建物の中で再構築する提案)
『Surface Area and Fractal Structure』
(井桁状の形態でまちと建物の接点を増やし、まちなかにもミニ図書館(書架)を埋め込む提案)
『緑に溶ける』
(清澄通り沿いに残る長屋建物を一部保全しつつ、小規模な建物を縦横に連坦させる提案)
『つどう図書館』
(清澄公園内の歩行空間を充実させ、既存の地形や樹木に応じた有機的な図書館の提案)
講評では、建築各分野の教員から暖かくも厳しい指摘が飛び交いました。また、江東区役所よりも深川図書館長・都市計画課長にご参加をいただき、都市や施設に関わる自治体の視点から貴重なアドバイスをいただきました。
本演習は、「木材業者との連携による居住環境の改善」プロジェクトの一環として実施されました