2016年7月17日(土)、豊洲キャンパスにて、「新木場木まつり2016夏」を開催しました。木場の木材業者、職人、建築家など、木と建築に関わる多様な関係者が集い、およそ20年にわたり続けられているシンポジウムで、本学も豊洲キャンパス開設以降から参加しているものです。
今回は、生産・流通に着目して、木を使うための環境が将来の木材業界にありうるのかどうかを語り合う会となり、約50名(学内35名、学外15名程度)が参加しました。
冒頭、工学部建築学科の南教授より「先端技術を拓くマスカスタマイゼーションの新たな可能性」として、先端技術の可能性や世界の事例、研究室で研究を行っている木質インフィルなどを紹介しながら、熟練工不足という課題やセルフビルドの可能性なども含めた問題提起を行いました。
パネルディスカッションでは、木材流通業・職人・建築家・経済学者など多様な観点からの議論が行われ、木材の伐採や流通、家屋の設計、ICTの活用、建築基準法、都市計画との関係など、話題が広く展開しました。また、会場からも、現行規制の課題や不燃木材の可能性など活発な意見が寄せられました。
日本人の木に対する愛着は深く、直ちに「木ばなれ」はなさそうです。また、国土の約7割を占める森林保全の観点からも国産材の活用は重要な課題です。ただし、木材産業の業態や流通などは時代に応じて変化していく必要もあり、BtoCへの対応なども含め、新たな建築技術の開発も求められます。
次回の「新木場木まつり」は、秋頃に開催予定です。
本シンポジウムは「木材業者との連携による居住環境の改善」プロジェクトの一環として行われています。