分野別の研究状況
Topics
■研究分野
退行性変化の遅延のための技術開発
■メンバー

越阪部 奈緒美(生命科学科教授)
長谷川 浩志(機械制御システム学科教授)
赤木 亮太(生命科学科助教)
井上 雅裕(電子情報システム学科教授)
間野 一則(電子情報システム学科教授)
堀江 亮太(通信工学科准教授)
山本 創太(機械機能工学科教授)


■研究のポイント・ニーズ


退行性変化を引き起こす様々なストレスを軽減するため,より質の高い生活習慣の追求をテーマに,in vivoイメージングなどの最先端技術を活用し,有用な情報や製品プロトタイプを開発.これらの情報は,同時に開発するモバイルヘルスケアサービスを通じて発信する.このサービスには,提供された情報に基づくユーザー側の行動変容およびその結果から生じた生理学的変化を簡易に検出できるツールを搭載する.ユーザーの健康情報は,IoT通信プラットフォーム上に構築したヘルスケアプラットフォームに集約することで,セルフメディケーションを支援する.


1.既存食品因子の未知なる作用機序をin vivoイメージング技術により解明

・メカニズムが解明された食品因子に対して,健常人を対象とした試験を実施

・機能性表示食品許可に必要な実験,製品プロトタイプを開発

・連携企業と共同で機能性表示食品の届出,取得


2.筋力向上のための新トレーニング手法の開発

・近隣住民を対象にしたトレーニングプログラムの実施

・トレーニングプログラムを広範囲に実施.社会的な進展性の検証

・高齢者向けトレーニングサポート器具の開発

・新トレーニングプログラムを適用,有効性評価

・トレーニングサポート器具の効果検証と特許出願


3.バイタル・体組成・脳機能変化を同時検出できるデバイスの開発

・IoT通信プラットフォーム対応,ヘルスケアプラットフォームデバイスアプリの開発

・モバイルヘルスケアサービスの提供に向けて,システム最適化



■研究トピックス

生理作用に資する食品中のポリフェノール量の簡便測定法の開発

■研究の概要

ポリフェノールの酸化還元反応やオキシダーゼとの反応を利用した電気化学的検出法はこれまでも取り組まれてきたが、食品に混在する強雑物の影響もあり実装化には到っていない。本申請で取り組むカーボンナノチューブなどのメディエータを用いて電子を直接的に取り出す方法は精度・正確度を向上させる点において画期的な試みであり、既にモデル系を用いた予備試験において良好な成績を得ている。今後は食品抽出物などを用い、前処理を含め検討し、実装に近づける。一方、申請者らはこれまで行われてきたHPLCなどによる分析法にも精通していることから、新たに開発した測定法と比較検討することでその有用性を評価する。


紅茶に含まれるポリフェノールであるテアフラビンの循環系に対する作用を確認

紅茶に含まれるテアフラビンの大循環および微小循環に対する影響;
げっ歯類と健常人におけるフィージビリティ・スタディ


■研究の概要

紅茶の飲用が心血管系疾患のリスクを低下させることが報告されています。紅茶には緑茶カテキンが発酵の過程で重合したテアフラビンが含まれることから、紅茶の機能成分と考えられてきましたが、報告はわずかであり詳細については不明でした。本研究ではテアフラビンが血圧を下げ、その作用が交感神経を介すものであること、また動物だけでなく人でも効果を発揮することを確認しました。


足関節底屈筋群の中で,疲れやすい腓腹筋内側頭は,活動交代を頻発することで回復を試みている!?

低強度での持続的な筋力発揮がもたらす足関節底屈筋群の筋剛性率変化と協働筋間の活動交代の頻度


■研究の概要

低強度での持続的な筋力発揮の際,協働筋の各筋は順々に活動・休息を繰り返し(=活動交代),筋疲労を低減させていることがわかっていますが,その度合いについては不明でした.本研究では,低強度での等尺性足関節底屈トルクを持続的に発揮させ,その前後における腓腹筋内側頭(MG)及び外側頭(LG),ヒラメ筋(SOL)の各筋の剛性率を,当学科に導入されている超音波剪断波エラストグラフィにより定量し,筋疲労及び活動交代との関連を検討することを目的としました.





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