研究の概要・特徴
水晶振動子ガスセンサ等を用いることで嗅覚情報(匂い)の数値化が可能となりつつあります。この数値化された嗅覚情報を活用するためには嗅覚情報提示装置“嗅覚ディスプレイ”が不可欠であり、当研究室では、嗅覚ディスプレイの要素技術である匂い供給デバイスを研究しています。
弾性表面波(SAW)ストリーミングを用いた匂い合成・供給装置の開発を目指しています。SAWストリーミングとは、固体表面を伝搬する弾性波と伝搬面上に置かれた液体との相互作用のことで、SAWのエネルギーが液体中に放射され、液体状態の匂い成分の混合(流動)や霧化ができます。
液槽を備えたSAW匂い発生素子を試作し実証実験を行い、ethanolガスの発生を確認できています。提案素子と動作例(右図)。
このSAW匂い発生素子は、嗅覚情報の数値化された情報を利用する上で重要な効果器となり、小型で安価な嗅覚情報提示器を実現することが可能となります。